Jaspella Gospel Guide
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神よ、わたしは新しい歌をあなたにむかって歌い、十弦の立琴にあわせてあなたをほめ歌います。
詩篇 144:9
下記の文章は第三者によるものであり、当サイトではその内容に関する一切の責任を負いませんのでご了承ください。

Tokyo Journal, 2000年12月より転載許可

キョウコ・ベイカーはサンフランシスコにあるメソジスト教会の聖歌隊に加入して以来、予想以上のものを得た。 38歳になるこの日本人旅行予約業者は、新しい趣味だけではなく素晴らしい感情的開放を見つけた。 「破壊的な人間関係や孤独から、神経衰弱になりかけてたんです。」 小柄なソプラノは膝の上で手を握り締めながら想い出す様に語った。 「ですが、ゴスペルを歌い始めて、人生の中に暖かさを感じることができました。」 現在毎週日曜、サンフランシスコのダウンタウンにあるメソジスト系のグライド記念教会で歌っているベイカーは、自分がゴスペルと出逢うまでに長い時間がかかったことに驚く。

「日本人には本当にゴスペル音楽が必要です。日本人は感情を隠すことが良いことだと思ってるのです。」彼女は『戦いつづける』という意味で『ガンバッテ』という日本語を教えてくれた。

「ですが、時には『ガンバッテ』ということができません。痛みを表現しなければならない時もあります。ゴスペルは涙を流す理由、痛みの解放、そして愛情の表現という、全て日本人が慣れてないことを与えてくれます。」 恥ずかしそうな笑みをうかべがらベイカーは語る。

ベイカーは、手を叩きながらイエス・キリストへの賛美を歌う、ゴスペル・ワークショップに群がる何千人もの日本人の一人だ。 ある業界筋によると、ゴスペル・ワークショップは現在日米両国に記録的な数で広がっているらしい。

カリフォルニア州オークランドの音楽伝道師スティーヴン・ロバーツはによると、世界最大のゴスペル・ワークショップであるGMWA(ゴスペル・ミュージック・ワークショップ・オヴ・アメリカ)は5年前の150よりもさらに多い200もの支部を持つという。東京でゴスペル伝道及び教室を運営するロナルド・ラッカーによると、現在日本には300ものワークショップがある。そのうちの50は東京だ。

ラッカーによると、日本におけるコンサートやその他イベント、CD、ビデオからなるゴスペルの収入は驚くべきものがある。

「ゴスペル式ウェディングは日本で家内産業の地位にまで達した。」と、黒人ゴスペル歌手が結婚式で歌うことにより多額の収入を得れることをラッカーは付け加えた。
このトレンドについて専門家達は驚きを見せていない。 ジョージア州立ケネソー大学で音楽文学を教えるオーラル・モーゼス助教授は、日本人がなぜパブテストやメソジストに深い関係がなくてもゴスペル音楽の力に強打されるか理解できるのだと言う。


「おそらく日本人はその音楽が刺激的なのでゴスペル音楽を好むのでしょう。私が出会った日本人は、その音楽に含まれる熱情とそれに対する献身が好きだと言っていました。また、日本人はただ歌うことが好きですし、彼らの文化の中において歌は重要な位置を占め、実際彼らは上手です。」

90年代中期から、黒人ゴスペル歌手の多くはヨーロッパよりも日本で歌うことを選んでいると付け加えた。 この事実が、ゴスペルが日米の日本人にとって新しい独特の趣味として基かれるきっかけになった。

「以前はゴスペル歌手はヨーロッパに行くのが普通でした。1920年代には、フランスに行ったジョセフィン・ベイカーやドイツやフランスを拠点にしたゴールデン・ゲート・カルテットの様に、多くの歌手がヨーロッパをツアーしました。ですが過去二十年くらいは、ゴスペル歌手の焦点は日本に流れていきました。実にそれだけの需要があったからです。」とモーゼスは語る。

ニューヨーク州ロングアイランドのグラハム・マグネット・スクールで聖歌隊を創設したステープルトン・カールソンは、過去数年間、世界中でゴスペル音楽の人気が高まってるということを指摘した。 「カーク・フランクリン、フレッド・ハモンド、ヨランダ・アダムス、ヘゼカイア・ウォーカー、ビービー・ワイナンズやシーシー・ワイナンズらのゴスペルミュージシャンによって、新しいレベルで受け入れられるようになったのです。」カールソンは言う。「世界の他地区で楽しまれている文化的に豊かな表現を、日本人やノンクリスチャンの人々が楽しむのは不思議ではないのです。」

だが、ゴスペル教師達によると、日本人にとっての主な刺激は、叫んだり揺れたりすることでいい気分になることだ。 彼らは、ゴスペル音楽が日本人の生活の深い変化を及ぼすものだと言う。
「日本人の殆どは歌い終えた後に『ゲンキ』な気分だと言ってきます。音楽によって彼らは活気づくのです。」と、彼の生徒達についてラッカー・ゴスペル・ミニストリーズのラッカーは語る。 日本人はまた、ゴスペル音楽によって力を与えられると感じるのだという。 「ゴスペル音楽には日本人が感じる、ある力があるのです。それは米国で奴隷だった人々に希望を与えた力であり、事実、長い間のの束縛、圧迫、後退および低下により気が狂うことから『ブラック・アメリカ』を救い出したのです。」

ロバーツは、日本でゴスペル音楽を教える時の反応は圧倒的だと言う。 「多くの涙と感情を見ることができます。男も女も泣き崩れるのです。クリスチャンじゃない人達もです。」

キョウコ・ベイカーにとってゴスペル音楽は魂である。 「日本にはそれに値するものがないのです。ゴスペルを歌う時、全ての人々が平等に受け入れられます。ゴスペルとは人々についてです。人々はゴスペルにより共に歌い, 笑い, 叫ぶのです。日本の宗教にはそういう連帯感がありません。」と、彼女はゴスペル音楽が日本人にとって愛情を表現する独特の機会を与えることを付け加えた。

これらは全て良いことだが、一部のミュージシャンは、大部分がノンクリスチャンである日本人が黒人によって作られてきたゴスペル音楽の魂を理解できるのか疑問に思っている。

ニューヨーク在住の29歳のコンピューター・エンジニアでクリスチャンでもあるヒサハル・タナベは、日本ではブラック・ゴスペルの人気はあるが、多くの日本人はその背後にある信仰よりも音楽のスタイルが好きなのだと言う。 「日本ではキリスト教はとても小さいです。仏教や神道は重要視されていますが、実際信仰の面においては多くの日本人は宗教的ではありません。また多くの人達はゴスペルという言葉の意味も判っていないのです。悲しいことですが、中にはイエス・キリストと関係があることも知らない人までいるのです。」と、教会のバンドでピアノを弾くタナベは語る。(:筆者に対して私タナベは、「だが、それらの全てのことを通して、神は日本人を信仰に導いていると信じてます。」ということも付け加えたのですが…。)

ラッカーは、日本人がゴスペルで楽しんでいるのは喜ばしいことだが、 彼らがその本質を知る前に何らかのリバイバルが必要だと言う。

ラッカーによると、主な問題はゴスペルは魂の音楽だという事実だ。

残念なことに、日本では自発的なものはまず受け入れられることがない。 「ゴスペル音楽は非常に感情的なものです。黒人教会は感情の教会なのです。日本人のゴスペル歌手達が彼ら自身の感情を信頼し、色々なものを乗り越えるために神を見上げ、そして信じる時、そこで初めて彼らにとっての『Oh, Happy Day』となるのです。」

だが、サンフランシスコのグライド記念教会のディレクターであるジャニス・ミリキタニは、日本のゴスペルに関するいかなる批評を受け付けない。 彼女は仏教徒として育てられたが、仏教の寺は彼女に愛を与えなかったという理由でキリスト教に改宗した。 ミリキタニは、仮に仏教徒のままだったとしてもゴスペル音楽の力を感じることが出来ただろうと予測する。

「本当のゴスペル音楽とは、全ての人々が一緒に互いの愛を表現し、それによって神の愛を感じるものです。ゴスペルとは人々の魂、精神、そして痛みからの成長の音楽です。」とミリキタニは言う。「もしゴスペル音楽が人々を教会に引っ張っていくものだとしたら、それは素晴らしいことです。」

Translated by Hisaharu Tanabe.



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